トヨタ生産方式をまとめる(ソフトウェア開発に活かしたい)
トヨタ物語を読んだのでまとめる。
トヨタ生産方式(TPS)がソフトウェア開発にもつながる(というかすでに繋がっている)ので、元ネタの勉強。
これだけでトヨタ生産方式を理解したとは言えないので、間違っている箇所があると思うが、とにかくまとめる。
トヨタ生産方式導入時の差別化ポイント
戦後、トヨタは他社差別化のため、車を安く作る必要があった。
アメリカ(フォード)は時給で働くので多く作ることでコストを下げる。
一方で日本(トヨタ)は職能給ため、ベテランであればあるほどコストが上がる。
しかし、トヨタは当時少量生産。(作ったところでそんなに売れない。)
そのため、多く作っても売れないので倉庫代がかかってしまい価格に反映されてしまう。
そこで、効率よく作ることを方針に据えた。
以下が、当時のアメリカと日本の違い。
違い | トヨタ | フォード |
---|---|---|
方針 | 早く作って安くする | 多く作って安くする |
工夫 | 現場で考えさせ、カイゼン | 流れ作業担当者の作業の区分け方 (意欲を高めながら単純化) |
生産量 | 少量生産 | 大量生産 |
給与制度 | 職能給(1人いくら) | 時間給(時間当たりいくら) |
トヨタ生産方式を導入して分かった日本人の特性
以下全て繋がってくるが、労働者はサボりたいが、人に見られるとサボれなくなる。 で、さらに良くするために自分の方法を変えさせられるのがストレス。
- 他人から見られること
- 自分の仕事の無駄な部分があらわになること
- 現在やっている作業を変えること
トヨタ生産方式の具体
当時行ったことは5つ。とにかく無駄な作業を減らす。
- 複数の機械を操作できる作業者になること
- 標準作業の設定
- アンドンの導入(設備の稼働状況や作業指示の見える化)
- 不具合があったらラインを止める(直るまで動かさない)
- 後ろの工程が前の工程へ引き取りにいくこと
トヨタ生産方式の導入
町工場にトヨタ生産方式を導入した際の方法が書いてあった。
- リードタイムを短縮する。
発注元と連絡を密にとり、受注の精度を上げていく。 - 在庫を減らす。
段取り時間やマシンサイクルタイムを短縮し、小さなロットで作れる体制を整える。種類別のストアを構えて、先入れ先出しを徹底する。 - 一つ一つのパレットにカンバンをつける。
カンバンが外れた分だけ生産する。 - パターン生産の導入。
複数の作業を組み合わせ効率の良い流れを組み立てる。(成形温度順に並べるとか)
7つの無駄
生産時には以下7つの無駄が発生。 これらを減らす必要がある。
- 作りすぎの無駄
- 手持ちの無駄
- 運搬の無駄
- 加工そのものの無駄
- 在庫の無駄
- 動作の無駄
- 不良を作る無駄
動作の無駄の3種
- 動作の大きさ
- 手待ち(手が止まっている)
- 離れ際(次の動作に移るときのもたつき)
失敗例
中途半端にトヨタ生産方式を真似て失敗した例
間違った理解 | 起こった失敗 |
---|---|
在庫をなくすと利益が出る | 工場内に在庫が隠され、製品の品質が低下 |
標準作業を導入する | 計測後、作業タイムを短縮しろと労働強化する |
カンバンを導入すれば利益が出る | カンバンに似た帳票を送り、協力会社を圧迫 |
Tips
仕事が早く終わったら、何もしないで邪魔にならんように仲間の仕事をじっと眺めて、ムダに気付く。次の日、自分の作業から無駄を省く。
多能工とは隣り合う工程の作業ができる人のこと。(何でもできる万能工である必要はない)
これらをいい感じに消化して、ソフトウェア開発のTipsに昇華していきたい(うまいこと言った)